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誰かに話したくなる漢字の話
下村昇・著/ クリロンワークショップ画空間・刊 / 1,000円(税別)

家庭で、職場で、お酒の席で、ちょっと自慢できる知って楽しい漢字の蘊蓄。
 
「はじめに」から
電車の中で女子中学生が二人、小声で話しこんでいました。聞くともなく聞いてしまいました。
  「ねえ、恋愛ってどっちがいい?」
  「えっ?」
  「恋と愛よ。あたしは愛がいいな」
  「どうして?」
  「だって、愛は心が胸にあるけど、恋は心が下半身だもの」
 この子たちが話し合っていたのは漢字の話だったのです。「恋」という字にも「愛」という字にも「心」がついています。そして下半身につく「恋」より胸部に「心」を抱く「愛」がよいといっているのです。高度なセンスを持つ中学生。これほど高尚なおしゃべりを彼女たちが朝の通学電車内でしているとは思いもしませんでした。 
 あとで調べてみたらサザンの歌「Sea side woman blues」にもそんな一節があるそうですが、職業柄か、そのときとっさに、他の心のつく漢字を考えていました。
 そういえば「憂える」にも心があるぞ。しかもその場所は胸の部分だ。どんな悩みか知らないが、悩みを小さな胸に抱えて心を痛め、悲しみ嘆くのが「憂える」だ。刺激を受けた私の頭は、そんなことをあれこれ考え始めていました。その日はいつもより早く時間が経って、電車は目的の駅に着いてしまった感じでした。
  亡くすと心で「忘」。
  刃と心で「忍」。
  女と又と心で「怒」。
 それぞれどうしてそんな漢字になったのでしょう。心のつく漢字はいっぱいあります。しかも、下についたり、中についたり、右についたり、左についたり…。
 いやはや漢字って面白くて、楽しいものです。心のつく字だけでなく、いろいろな漢字がどうしてこう書くのか、面白いお話をあれこれとご披露しましょう。
 是非、電車のお供にこの本をお持ちください。あなたの通勤・通学時間も、アッという間に過ぎること請け合いです。覚えておけば、話のネタとして使うこともできますよ。

現代子どもと教育研究所所長 下村 昇

 
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